円谷英二ミュージアムにきちゃいました!
須賀川市民交流センター tette(てって)には、図書館関係のとあるイベントのために出かけていったのだが、実はそれ以上にこの施設の5階にある『円谷英二ミュージアム』(入場料無料)に行くことは、かねてからの念願だった。ついにその聖地ともいうべき場所にたどり着いた。
1階にある、レッドキング、バルタン星人、キングジョーは…ほんの入り口にしか過ぎなかった。それくらい円谷英二ミュージアムはすごいのだ。
エレベータで5階をおりるとこの看板がある。
当然ながら右に進む…と、そこにはあの着ぐるみが〜。
ただし写真撮影が可能なのは、ここまで。円谷英二ミュージアム内は2箇所だけ撮影が許されている場所があるが、それ以外は撮影はできないのだ。
ここから先は、公式サイトの画像をエンベッドしながら紹介する。
まずは吹き抜けにそってインフォメーションに向かう。もうすでに通路の右手には特撮関連の書籍がならぶ。その壁の向こう側はネットワークウォールだが、そこは後回しだ。この須賀川市民交流センターには市立図書館としての機能があるが、図書館的にみてもこうしてミュージアムと貸出可能な図書館資料とか一体になっている…いわばMLA連携(Museum, Library, Archivesが融合した機能を持つ施設)を実現している。
円谷英二クロニクルボックス
インフォメーションを抜け、左手に入ると[円谷英二クロニクルボックス]だ。ここはいわゆるミュージアムによくある円谷英二の生涯を展示している。絵が上手かった、模型作りが好きで飛行機乗りになりたかった円谷少年が、紆余曲折しながら映画界に入り、日本特撮の神様になっていくか、その道筋がとてもよくわかる展示である。
ゴジラ須賀川に現る
展示がおわると大きなモニタに映画が上映されているのだが…記憶にあるどのゴジラ映画でもない…。?これはなんだ?と思ったらなんとこのミュージアム用に撮り下ろした特撮短編映画『ゴジラ、須賀川に現る』の本編とメイキングが上映されている。
この円谷英二クロニクルボックスのを見ながら、実はすでに背中側(マップでみると中央の湾曲した壁)には、特撮映画で使われたアレとかコレとか…もう嬉し過ぎて足が地に着かない状態。
特撮スタジオ
短編映画をみて右に曲がると、その奥の部屋にあるのは[特撮スタジオ]のミニチュア模型だ。まずは、1)映画『日本海大海戦』の海戦シーンを撮影した巨大なプールのジオラマ。ロシアのバルチック簡単を迎え撃つ日本の連合艦隊 旗艦三笠をはじめとする戦艦がならぶ。またプールのまわりには円谷英二監督をはじめ特撮のスタッフたちがそれぞれの持ち場で働いている風景がならんでいる。しかもこのプールの奥にまわると、さまざまな撮影用の模型が収蔵されている倉庫があり、撮影当時においてもプールでの撮影と、必要な模型はすぐに展開できるようになっていたそうだ。2)ふたつめの展示は、さきほどの『ゴジラ須賀川に現る』の撮影風景。こちらは体育館のような場所での撮影をジオラマにしている。この部屋の展示はこの2つのジオラマだけじゃない。その壁面に描かれた空こそ、背景画の巨匠 島倉二千六氏の直筆の富士山なのである。このミュージアムのために直接描かれたと聞くと、もう鳥肌ものだ。
空想アトリエ
中央の湾曲した展示スペースと、その向かい合わせの壁面は[空想アトリエ]。妖星ゴラスのアレとか、マイティジャックのMJ号とか…モスラの卵とか…ひとつひとつの展示が、本来なら映画撮影後に産業廃棄物として処分されても不思議はないモノたちが、大切に大切に保管されてきたことが感じられる展示だ。しかもその展示は、こんな風にジャンル分けされている。
- 空想生物学
- 空想機械学
- 空特撮世界と環境学
- 特撮天文学
- 特撮寓話学
- 特撮映像学
といったぐあいに、大の大人が中二(厨二)になってしまいそうな世界。
そして、ゴジラ
このミュージアムで2箇所だけ撮影がゆるされているひとつ。それがゴジラの着ぐるみである。実はこの着ぐるみは先ほどの映画『ゴジラ須賀川に現る』で使われたものだ。
あくまでも撮影しているのは、撮影許可があるゴジラの着ぐるみである。背景に何がうつっているかは、ご想像にお任せするが、撮影はゴジラのみですからね。
X星人になったり、ネットワークウォールでオリジナル怪獣を作ってみたり…と、とにかく楽しめるし特撮マニアにとっては夢のような場所である。
福島県須賀川市…こんなに特撮ファンの魂を揺さぶる街はないだろう。移住したい・でもいづみは遠い…そんな思いを抱いたファンに、実はすごい朗報があるのだ。なんとこの須賀川市はM78星雲光の国と姉妹提携をしているのだが、さらに誰でもこの須賀川市を介して光の国の住民になることができるのだ!え、なにそれ。
(つづく)
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いわゆる昭和特撮で少年時代を過ごし、平成・令和となった今、まさに自分はあの頃未来の世界と描かれた時代にいるはずなのに…なぜ宇宙旅行もままならず、海底牧場もできず…チューブの中を走っているはずの列車は無く…という2020年になろうとする時代の中で感じていたりします。せめて映像の世界だけはかつて夢見た未来を描いてくれるのではないだろうか。CG全盛の時代だし、CGは嫌いじゃないし(むしろ好きだし)、でもそんな中でも昭和特撮大好きオーラを出し続けていたいと思います。