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映画『シン・ウルトラマン』は傑作です! たぶん – 映画が終わった後に感じたのは「私は何を観たのか、私は何を観たかったのか」。そしてこの後困惑の日々が続くのです……。

こんにちは、科特研キャップです。

ようやく劇場にて『シン・ウルトラマン』を鑑賞してきました。まずは、ファーストインプレッションといいますが、感想を書き留めておきたいと思います。

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ネタバレなし感想 – 基本的に傑作です!!

過去作へのリスペクト

冒頭からの過去作へのリスペクト満載。もうここから詳しく書くとネタバレになっていしまうほど。『シン・ゴジラ』からテレビ放送の『ウルトラQ』や『ウルトラマン』。

予告編ではネロンガとガボラが登場していましたが、期待してください。

ウルトラマンや外星人(宇宙人)の造形においても、過去作の成田亨氏のデザインをベースとして取り入れたり、過去作のあのシーンやあのシーンなどをモチーフとしたシーンづくり/カットづくりなどがいたるところに散りばめられているので、これまでのウルトラシリーズを知っているファンにも響かせながら、まったく知らない人にも楽しめる映画ですね。

こだわりの設定

それぞれの設定が実にこだわっています。

怪獣あらため禍威獣の設定…というか造形においても、過去作ではこんな裏話/裏設定があるので、それを本作でも取り入れよう的なところとか。当時の子供向け雑誌に掲載された情報を拾い上げた設定を盛り込むなど、知っている人はそれなりに、知らない人でも楽しめるウルトラマン映画になっていたと思います。

また、特撮においても従来ならミニチュア模型であるところをCGで処理しているのですが、そのCGがあえてミニチュア模型らしさを出すように作られいたりします。もうすでにヒーローも禍威獣(怪獣)もCGモデリングとモーションキャプチャーで作られている時代ではありますが、あえてミニチュア特撮のテイストを醸し出すような作り方。

音楽によるタイムトラベル感

それぞれのシーンでのBGMが、また往年のウルトラファンを魅了していますね。

あのシーンのあのBGMはあの映画のあのシーンでも使われたBGM(別バージョンでも同じように聞こえる)。ただ、そこはどうしても過去作に対する記憶もあるので、その姿でそのBGM?って思うところもあったりします。逆に、そんな過去作に対する記憶がない状態であれば、そんなことも気にせずに楽しめるかな。

踏襲されたアングル

ふと気がつくと、ちょっと風変わりな画面レイアウトがいくつも登場してきます。ファンならよく知っているあの監督が使いそ〜な、あんな角度やこんな角度、そこからそれをなめて撮る必要があるの???って思ってしまうほどです。ただ、そこまた過去作の記憶にとらわれている世代としては気になるところであって、過去作の記憶がなければ、それはそれで楽しめるアングルだったりします。

ただ、実相寺っぽいんだけど、そうじゃない感もあったりして…過去作の記憶が邪魔をしてます。

あざとかわいい

全体的に感じるのは、

そういういみでは、ほらほらこういう映像を観たかったんでしょう的なあざとさもありながらも、そうそう、それを観たかったんだよ〜って反応してしまうオーディエンス側とのマッチングとしては、なかなかの傑作になっていると思います。

実際に、公開数日で興行収入が10億円に迫る勢いが、それを物語っていますね。

主題歌「M八七」米津玄師

米津玄師「M八七」歌詞

米津玄師 M八七 歌詞 -【歌詞リリ】
米津玄師『M八七』の歌詞ページです。『M八七』は 映画【シン・ウルトラマン】の主題歌。遥か空の星が ひどく輝いて見えたから 僕は震えながら その光を追いかけた 割れた鏡の中 いつかの自分を見つめていた 強くなりたかった 何もかもに憧れていた...






以下、ネタバレ & 独り言 あり!!

まだ、劇場にて映画『シン・ウルトラマン』を観ていない方は、ネタバレを含みますので、この先は読まないでください。あわせて、心の声的な独り言も書き留めています。

怪獣から禍威獣へ

さて、まずは「怪獣」という言葉が「禍威獣(カイジュウ)」書き換えられていましたね。書き換えられていたのですが、アクセントは怪獣(カイジュウ)でした。禍威獣(カイジュウ)ならば、威(イ)にアクセントが来るのではないかなぁ〜と思うのですが、漢字こそ変えられていましたが、アクセントは変わらずでした。

それと冒頭から始まる数分間のシーン。まだウルトラマンが登場しない時代における禍威獣の出現と人類(日本人)の対処が6事案ありますが、最初のゴメスの登場時には「巨大不明生物」という映画『シン・ゴジラ』における呼称がまず最初に使われています。

そしてこのペギラを駆除した後から、超自然発生巨大不明生物から敵性大型生物「禍威獣(カイジュウ)」と呼称するようになり

というように変わってきています。この第1号のゴメスの出現から第6号パゴスまでがどのくらいの期間なのかは明らかにされていませんが、第4号「ラルゲユウス」が飛翔し消息不明になったのちに、日本には防災庁が設立され、同時に禍威獣災害対策復興本部が設立。防災庁内に五人の専門家による禍威獣特設対策室、通称「禍特対(カトクタイ)」が設置されたと記されています。

カイゲル、パゴスと来て次に登場するネロンガやガボラなどが極めて短時間のうちに登場している現状に対して、そものも「何かがおかしい」と気がつくべきだと思うのですよ。

多くの自然災害が、100年に一度の記録的●●みたいな言い方をすることを考えると、この防災庁の設立の含めて、いまひとつピンとこないところがあったりします。

このあたりはむしろ、同じ樋口真嗣監督作品でもある『MM9』(モンスター・マグニチュード9)のほうが、少し納得できるところもあるので、今回の『シン・ウルトラマン』においては、少し性急すぎる感じが否めませんでした。むしろ説得力のある表現をするとするならば台風の数え方のような言い方がよかったかなぁ〜と思いましたね。

年度ごとに、カウントがリセットされる呼称。これならば、では平成7年の神戸を襲ったあの巨大不明生物は〜とか、平成23年の東北を襲ったあの禍威獣被害は大きかったなぁ〜などという言い方もできたように思うのです。

防災庁 – 禍特対の誕生 – ジェットビートルは無し

敵性大型生物 第4号 飛翔禍威獣「ラルゲユウス」を倒すことができず、飛翔したまま消息不明となったのちに設立される『防災庁』なのだが…はっきりいって、本編ではほとんどまったく防災庁が描かれていなかった。

映画『シン・ウルトラマン』の情報が開示されていくなかで、この『防災庁』の文字をみたときに、実はおもいっきり希望を抱いていたのは事実。現在の日本において、40年以内に90%の確率で発生すると言われる南海トラフ巨大地震とその地震の被害による西日本大震災。首都直下地震や富士山噴火も可能性が低くない状態、さらに毎年のように数十年に一度の記録的な風水害の発生による洪水などの水害を考えれば、これらの自然災害そのものを禍威獣的にとらえる『防災庁』の存在は、いまの日本国においても必要不可欠だと考えていたりします。映画『シン・ゴジラ』の中では、自然災害は駆逐できないが、生物なら駆逐できる的な意見を赤坂先生が口にしていましたが、そんな自然災害という脅威から国民の生命と財産を守るための組織が現在の日本にはありません。あくまでも災害救助/災害派遣は「被災した人の救出/被災するであろう人々の避難誘導」に留まっています。

とまぁ、そんなふうに考えていただけに『防災庁』には期待したのですが、防災庁そのものの活動は本編では描かれませんでした。描かれていたのは『防災庁』のいち部署である禍威獣特設対策室と禍威獣特設対策室専従班=通称「禍特対」のメンバーと、自衛隊が少々といきなり総理大臣をはじめとする閣僚のみなさんでしたね。

科特研キャップの気持ちとしては、猛威を振るう自然災害と巨大不明生物/禍威獣とをあわせて国民の生命と財産を脅かす禍/災としてとらえ、その脅威から守る組織としての防災庁を期待していただけに残念でした…が、まぁ制作側の裏設定があるのかもしれません。デザインワークスには防災庁のロゴマークが描かれていましたが、もしかしたそれ以上の設置に関する法律や組織図、災害や禍威獣に対する各種車両や装備(もしかしたらジェットビートルを隠し持っている)などがあるのかもしれませんが…もしこの後そんな設定資料が出てきたら、嬉しい限りです。

禍特対メンバー

禍特対のメンバーは、劇中のセリフにもあるとおり独立紅蓮隊であり、個性派ぞろいだ。とはいっても『シン・ゴジラ』の巨災対とはだいぶ趣もことなっており、オリジナルのウルトラマンにおける科学特捜隊のメンバーを踏襲している。

踏襲しているのだが…そのチームを支える組織である『防災庁』が見えてこないのが残念だった。また、冒頭において「以降、指揮権は禍特対に移ります」と自衛隊の現場指揮官に伝えるシーンにも、かなり違和感がありましたね。なぜ禍特対は自衛隊を動かせるほどのポジションにいるのか。まずは自衛隊内に禍威獣攻撃チームが存在していて、そこに対してパートナーシップとしての防災庁や禍特対があってもよさそうなのに、いきなり自衛隊の指揮権が移行する…というのは、かなりの違和感でしたね。

まぁ、ネロンガ戦でウルトラマンが登場するまでの禍威獣との戦い方のなかで、防災庁禍特対による作成立案などが評価されたとも言えるのですが、それならむしろ禍特対を自衛隊にスカウトしたほうが効率がいいんじゃ無いかなぁ〜なんて思ったりもするのです。

生物兵器としての禍威獣 ネロンガ

さて、その人類ではお手上げの禍威獣第7号「ネロンガ」

それにしても防災大臣になると禍威獣の命名権を持つことができる!というのは、かなりすごい設定ですね。もう禍威獣の名付け親になりたいために防災大臣になりたいという動機にもなったりして。

ここで重要なポイントが、敵性大型生物第6号 地底禍威獣「パゴス」の存在。この後に出現する「ガボラ」とあわせて、体型が同じであることを禍特対のメンバーが指摘するのだが、もうその時点でオタク心をくすぐられる。最初のウルトラマンにおいて、その怪獣の着ぐるみそのものがパゴス,ネロンガ、ガボラが同じ着ぐるみから作られている。ついでいうと、ゴジラ映画に登場するバラゴン、ウルトラマンに登場するマグラーも同じ着ぐるみの転用である。当初は予算の都合でそうなったこともあるのだけれど、結果として「怪獣の生態系/進化系」を感じさせることとなったように思うのです。

「予算の都合」が、現場での知恵と勇気によってウルトラマンの文化は形作られたといっても過言では無いかもしれません。

ウルトラマンの名前は「リピア」

そして、ネロンガ戦で人類がもうこれ以上打つ手なし!とあきらめかけたその時に、大気圏外から飛翔体が落下(飛翔ではない…ただ墜落した感じさえある)。土煙の中から立ち上がる銀色の巨人。ほんとに赤いラインすら無い銀色の巨人でしたね。ネロンガの電撃も平然と受け流す姿。その反撃は山を吹き飛ばすスペシウム光線。このスペシウム光線の表現が良かったー。もちろん光線のアニメーションづくりにかなりこだわって取り組んだこともパンフレットにも記されているし、その勢いが山を吹き飛ばす感じは、シン・ゴジラの熱線が収束していく感じにもにて、いままで見たことのないスペシウム光線の表現だったと思います。

そしてのちに、ゾーフィから呼ばれる個体名 リピア。ウルトラマンシリーズでは、ウルトラマンとか初代と呼ばれていた存在に個体名があったとは。まぁ、これが今後の初代ウルトラマンに対する呼び名になるとは思いませんが、少なくとも「シン・ウルトラマン」を指す時に「リピア」を使うことはあるかもしれません。

光の星から地球と地球人類を観察する役目を担っていたリピアですが、おそらくパゴスの出現から外星人による生物兵器であることを感じていたかもしれません。なのでネロンガが登場したときの初動が早かったように思います。

パゴスとガボラ

ガボラ戦は、もうまったく人類には手が出せない。唯一の攻撃手段がシン・ゴジラの背中を貫通した地中貫通弾。それでもガボラの進行を止めるには至らない。そこでお約束のちょっと抜け出す神永さん。森の中を駆け抜けながらの変身シーンはなかなかかっこよかったと思います。

それにしてもあのガボラ…いったい体はどういう構造になっているのでしょうね?パゴス、ネロンガはまだ生物感がありましたが、ガボラのドリル状の襟巻きの構造、螺旋状の尻尾の形状。もはや映像的にこれは、人為的な(外星人為的な)加工が施された生物兵器という印象をその形状から感じさせていたように思います。

また、核廃棄施設があんなに普通に山の中にある…という描写もすごいなぁ〜と思いましたし、その前のネロンガ戦で熱核攻撃も辞さずという日本政府の判断に、けっこう驚いたりもしました。

実はこの『シン・ウルトラマン』において、日本政府における「核兵器」の取り扱い方だけをみても、かなり興味深いストーリーになっているように思います。『シン・ゴジラ』で「ひどすぎます!」というセリフがあったにも関わらず、『シン・ウルトラマン』では躊躇なく自国内で核兵器を容認する。日本人恐るべし!です。

外星人ザラブの登場と日本政府

まぁ、禍威獣に対しては自国での熱核兵器の使用も辞さず。別の言い方をすれば日本にだけ禍威獣が出現するのでそれに対処するために日本は核保有国になることを認めねて!と国際社会に訴える意図もかなりあるのではないかなぁ〜と思う。『シン・ゴジラ』に登場したあの先生によく似た政府の男が、実はそんなことも考えていたのかもしれません。

そんな背景があって、人類を遥かに凌駕する科学力を持つ外星人の登場と、たとえ不平等といわれようともその科学技術をもって核兵器以上の力を保有したい日本政府とは、意外とあっさり条約締結してしまう。それもたった一人の外星人とですよ。ザラブ星人が帰属するであろう政府/国/組織ではなく、たった一人の外星人とです。

まったくもって、日本政府は何を考えているのでしょうね。

ザラブ星人による策略も、ある意味であっさり禍特対に見抜かれていたりして、そのあたりの描き方もけっこう好きなところだったりします。

そうそう。ウルトラマンとザラブ星人との戦いの中で、見逃してはいけないカットがあります。それはウルトラマンが偽ウルトラマンの顔に空手チョップを入れるところで、チョップした後に「痛ってー」って右手を振るところがあります。たぶんこれは庵野秀明がモーションアクターにも名を連ねているところかもしれません。このシーンは最初のテレビドラマの中でも使われているシーンで、実際に偽ウルトラマンの顔にチョップした時に、偽ウルトラマンの目のあたりの破片が飛ぶシーンがあり、そのあと「痛ってー」ってチョップした手を振るんです。このシーンは庵野秀明が好きなシーンであるということ、Amazonプライムビデオの『庵野秀明+松本人志 対談』の中で語っていたりします。

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そんなに地球人…いや日本文化が好きになったのかメフィラス

そんなザラブ星人の策略をあっさり打ち砕いたウルトラマンと禍特対の活躍も束の間、次に登場したメフィラスとも日本政府はあっさりと条約を結んでしまう。

メフィラスの知能の高さは一方でウルトラマンとは戦わずに、別の言い方をすれば協働してこの地球を治めてしまうことを提案するが、ウルトラマンはそれを拒否。このあたりから「日本政府に対する反逆行為」をしてでも、メフィラスの策略は阻止しようとする意志の表現はなかなかよかったです。

生物を巨大化/強靭化できるベータボックスの供与を日本政府がいとも簡単に受けてしまうのは、人間を巨大化して街を歩かせ、少しばかり建物を壊す…というデモンストレーションが功を奏したからかもしれない。そしてまたベータボックスを使用した巨大化すると、身体だけでなく髪の毛のキューティクルすら別の物質になってしまうという表現がありましたが、あれは特撮においてとっても大事なところですね。いくら巨大化したとはいえ、足の裏に小さな突起でも刺さったらかなり痛いはず…とず〜っとおもっていたことへのひとつの解答でした。そうか、巨大化すると傷つかなくなるんだ〜。

まぁ、そんなベータボックスで巨大化する人類そのものが、他の外星人からみれば格好の生物兵器生産地=地球となってしまうわけです。もしもあそこでウルトラマンと禍特対がベータボックスの日本政府への譲渡を阻止しなかったら、銀河中から生物兵器地球人を求めてやってくることになったかもしれません。

ゾーフィとゼットン

そのウルトラマンとメフィラスとの戦いの最中、後ろの方で見ている外星人の姿が映ります。ゾーフィです。これまでのウルトラマンでは「ゾフィー」でしたが、当時の子供向け雑誌の中での誤表記(?)をあえてシン・ウルトラマンで取り入れたのは、庵野秀明自身が、その誤った子供雑誌の記事を、かなり大きくなるまで信じていたから…らしいのです。宇宙人ゾーフィはゼットンを操り〜みたいな記事です。

そのゾーフィが語る衝撃の事実。

  1. 光の星で禁じられている人類との融合をやってしまったウルトラマン=ルピア
  2. そのことが、マルチバースすべての宇宙で地球人が生物兵器に転用が可能であることを知らしめてしまったこと。
  3. 光の星から地球と地球人は即刻廃棄処分と決定された。
  4. 地球人を刈り取るための最終兵器ゼットンを残していく

つまり、光の星(光の国)ではもうルピアが神永と融合したことで地球人の生物兵器化が可能なことが知られちゃったので、地球人を抹殺しまーす!という判断がされたということなんですね。え”〜〜〜〜〜!

ということで、まったく勝ち目のないウルトラマンは「たとえ負けるとわかっていても戦わなければならないときがある」みたいな雰囲気をかもしだしながら、浅見さんの前で変身するのだけれど…うーンんそこは、1)キスをして「ちゃんと戻ってきなさいよ」と言って送り出す、2)せめてハグでもして「帰ってこないと承知しないよ」と言って送り出す…くらいの場面であってもよかったと思うのに、まったくもってプラトニックな関係しか示さないんだなぁ〜って。

※パンフレットには、キスシーンありとなしを撮っていたそうで、けっかとして編集段階でキスなしを選択したとか。

人類の叡智とリピア

ゼットンが地球の軌道上で徐々に兵器として成長していく姿は、なかなか美しかったと思います。地球から見上げると青空にうっすらと見えるゼットンの姿は、見方によっては『巨神兵、東京にあらわる』の宙に浮いている巨神兵を彷彿させるものがありましたね。

また、禍特対も政府も知っていながら、国民には「何も知らせないほうがいい」という判断は、小松左京原作の「日本沈没」(樋口真嗣監督も2006年に映画化)のセリフとダブりましたね。何も知らせないまま一兆度の火の玉で焼き尽くされる地球と人類(さらには周辺の宇宙にかなりの影響が出るらしい)。

勝てるはずのないゼットンとの戦い。あの手この手と繰り出すウルトラマンもついに敗れて地球に落下。なぜかその落下するウルトラマンが美しいと感じてしまったのです。

ここで、ウルトラマンも勝てない存在があることを知る人類は、まったくの絶望しかなく、もう何をしても無駄・無駄・無駄!という時に、神永が残したUSBメモリからのベータシステムの基本原理(を地球人が読める数式に置き換えたドキュメント)により、新たな希望を見出した禍特対の船縁と滝。

それにしてもその世界中の叡智を結集しての解決策に取り組むシーンは、なんとかならなかったものかなぁ〜。VRゴーグルをかけた滝の姿を映すだけじゃなくて、その滝はいったいどんな場面を見ていたのかを短くてもいいから入れて欲しかったし、そのシーンはたぶんマーベルの『アイアンマン』でトニースタークがアイアンマンを設計しているような、『エージェント・シールド』の中でフィッツやシモンズがホログラフイメージを使って設計していたようなビジュアルは欲しかったなぁ〜。邦画では実写版『ルパン三世』にもあった。

結果的にはそのベータシステムの使い方で、ゼットンをプランクなんとか…という世界に弾き飛ばし機器を回避することができたのだが、ウルトラマンルピアも一緒にブラックホールの彼方に飛ばされてしまう。

ゾーフィの理解(?)も得て、復活するのだが、それはウルトラマンルピアなのか、神永新二なのか…みたいな終わり方。意味合いは違うものの終わり方は『アバター』みたいな感じでしたね。

長々と書いてしまいました。

ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。お疲れ様でした。

劇場で映画が終わり、会場が明るくなってから…とても困ったのは事実です。

私は何を観たのか?私は何を観たかったのか?

そんな困惑の日々がこの後続くことになるとは、その時は全く思ってもいませんでした。

映画パンフレット 購入推奨

『シン・ウルトラマン』のパンフレットは、公開最初の週末でほぼ売り切れ続出。再入荷を待つか、転売モノを購入するか難しいところではありますが、映画本編は後々DVDやブルーレイ化されるし、オンライン配信もあると思うのですが、その時にパンフレットが手元にないのはかなり辛いことです。なので、劇場売店をチェックしながら、できるだけ入手をお勧めします。

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シン・ウルトラマン デザインワークス 購入推奨

映画パンフレットとあわせて、真っ赤な表紙の『シン・ウルトラマン デザインワークス』も、ぜひ購入してください。

たぶん、このあと『シン・ゴジラ』同様に、『シン・ウルトラマンWalker』とか『ジ・アート・オブ シン・ウルトラマン』などのような資料集が出版されるとは思うのですが、いまのところ入手可能な資料集としては、この『デザインワークス』だけなので、ぜひお手元に置いて欲しいと思います。

https://www.stellatuhan.com/asp/ItemFile/10021485.html

ここからは独り言 – 私は何を観たのか、私は何を観たかったのか

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